「まだ自分で歩けるから」と昇降機を後回しにするリスク – 転倒後に始めるより早い対策を
「階段昇降機?まだ早いよ、自分で歩けるから」——これは、階段昇降機の導入を検討する場面で、最も多く聞かれる言葉の一つです。実際に歩けている以上、当然の反応にも思えます。
しかし、この「まだ大丈夫」という判断こそが、実は転倒事故の一歩手前で最もよく聞かれる言葉でもあります。今回は、昇降機の導入を「歩けなくなってから」に後回しにすることで生じる具体的なリスクを整理し、なぜ早期の導入(特にレンタルという形での導入)が有効なのかを解説します。
「歩けるから大丈夫」の判断が抱える問題
1. 「歩ける」は「安全に昇降できる」とは違う
歩行ができることと、階段を安全に昇り降りできることは、実は別の能力です。階段の昇降には、平坦な場所を歩く以上の筋力・バランス・関節の可動域が必要になります。平地では問題なく歩けていても、階段になると踏ん張れない、膝が痛くて足が上がらない、といったケースは非常に多くあります。
2. 身体機能の低下は本人が最も気づきにくい
筋力やバランス感覚の低下は、数年単位でゆっくり進行します。本人の中では「昨日までできていたこと」の延長線上にあるため、実際の身体機能が落ちていても、本人の自己認識(まだできる)がそれに追いついていないことがほとんどです。家族が「危ないよ」と声をかけても、本人にとっては実感がなく、対策が後回しになりやすい構造があります。
3. 「転倒してから」では、判断・行動の余地が一気に狭まる
実際に転倒し、骨折や入院となった場合、そこから昇降機を検討するのでは、以下のような制約が一気に発生します。
- 退院のタイミングに合わせて、短期間で導入を決めなければならない
- 本人がリハビリ中で、そもそも試し利用する体力・気力がない
- 家族側も介護と手続きの両方に追われ、比較検討する時間がない
つまり「転倒後」は、最も冷静な判断がしにくいタイミングで、最も重要な決断を迫られることになります。
4. 転倒による骨折は、次の転倒リスクをさらに高める
高齢者が転倒によって大腿骨や骨盤を骨折すると、入院・手術・長期のリハビリを経て、以前より筋力やバランス機能が明確に低下した状態で自宅に戻ることになります。つまり一度の転倒は「一度きりの事故」ではなく、次の転倒がより起きやすい身体状態を作ってしまうという悪循環につながります。
5. 「まだ大丈夫」の間に、生活範囲がすでに縮んでいることも
昇降機の導入を後回しにしている間、実は本人が「階段が怖いから」と2階に行く回数を減らしていたり、荷物がある時だけ家族に運んでもらったりと、無意識に階段を避ける生活に変化していることがあります。表面上は「まだ歩けている」ように見えても、実際の生活範囲はすでに縮小し始めている——これも後回しにすることで見過ごされがちなリスクです。
なぜ「転倒する前」の導入が有効なのか
昇降機の導入を検討するタイミングとして理想的なのは、実は「まだ歩けていて、本人が納得して選べる」今の段階です。
- 本人の意思で選べる:転倒後の慌ただしい状況とは違い、本人が実際に試し、使い心地を確認しながら納得して導入を決められます。
- 「歩けなくなったら」ではなく「歩けるうちに」使い方に慣れられる:操作や乗り降りに慣れるための時間的な余裕があり、いざ必要になったときにスムーズに使えます。
- 転倒による骨折・入院というリスクそのものを避けられる:骨折後の身体機能低下や、それに伴う生活の制約を未然に防げます。
- 「歩ける今のうち」に生活範囲の縮小を止められる:階段を避ける生活が定着する前に、2階への行き来を安心して続けられます。
「購入」ではなく「レンタル」なら、後回しにする理由がなくなる
「まだ歩けるから」に加えて、昇降機導入を後回しにする理由としてよく挙がるのが、「購入するにはコストが高い」「まだ必要かどうか分からないのに大きな買い物はしにくい」という点です。この2つの後回しの理由は、実はレンタルという選び方で解消できます。
- 初期費用を抑えて、必要になった「今」から始められる:購入前提だと大きな決断になりがちですが、レンタルなら気軽に導入を検討できます。
- 「まだ早いかも」と思ったタイミングでお試し利用ができる:実際に使ってみて、本人の生活にどう馴染むかを見ながら判断できます。
- 必要な期間だけの利用にも対応できる:将来的に身体状況が変わった場合でも、契約内容を見直しやすい柔軟性があります。
- メンテナンス込みで、長く安心して使い続けられる:購入後の故障や点検の心配をせずに済みます。
「歩けるうちに」という早いタイミングでの導入ハードルを下げてくれるのが、レンタルという選び方の大きな利点です。
まとめ
「まだ自分で歩けるから」という判断は、身体機能の低下が本人に自覚されにくいという特性上、必ずしも正確な安全判断とは言えません。実際に転倒してから昇降機を検討するのでは、判断できる余地も、身体機能そのものも、すでに大きく失われてしまっている可能性があります。
転倒という取り返しのつかない事故が起きる前に、まずはレンタルという形で、負担の少ない一歩から階段昇降機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
